エクストルーダーの脱調調整

もう、さすがに誰もPxmalion coreI3を使っていなさそうですが、私は、たまにしか使わない3Dプリンタを新調する余裕はないので、未だに使っています。

久しぶりに太陽光発電の部品を作成しようとしたら、エクストルーダーのステッピングモーターがカタカタと脱調(回転が止まる)してフィラメントが頻繁に出なくなります。これではプリントできません。いろいろ調べてみるとパチパチと音もしているので多分フィラメントが湿気ってしまったのだと思います。何年も前に買ったフィラメントなので湿気ってしまっていても不思議ではありません。

フィラメントが水分を含んでいると200度以上の温度でその水分が蒸発し、その時にパチパチと音がするのだと思われます。それはフライを上げる時に水分が蒸発してパチパチと音がするのと同じです。水分が蒸発する時に熱を奪うので粘性が下がり、エクストローダーの力が足りずに脱調すると考えられます。

湿気ったフィラメントが原因だと分かっても、かなり残っているフィラメントを捨てるのも勿体無いので何とか使い切りたいです。プリントしたものは駆動部品として使うので見た目が汚くても気にしません。ということで試したことを紹介します。知らなかったのですが、Pxmalion coreI3ではプリント中にTuneというメニューでパラメータを変更できます。個々のパラメータを調整するときのメニュー項目は以下のカッコ書きのところに記しました。

  • フィラメントの温度を上げる(Nozzle):粘性が下がるので脱調は防げますが、糸を引くようになります。最高260度まで上げてもプリントできましたが、フィラメントによってはどうなるかわかりませんのでご注意ください。
  • プリント速度を下げる(Speed):温度を上げる時間が増えるので脱調は防げますが、時間がかかるようになります。
  • フィラメントの送出を調整する(Flow):これで脱調を防ぐ訳ではないのですが、湿気によりフィラメントの送出が不安定になるので、上記の調整をしながら、送出の様子を見て、フィラメントの送出量を調整します。

これで、かなり脱調を防ぐことができてなんとかプリントできるようになりました。

調整してなんとか出力できるようになったところで、ネットで調べていた時に出力ソフトの設定でエクストローダーの電流か電圧かを変えて送出力を強くする方法があったことを思い出しました。Pxmalion coreI3のソフトではそんな高度の調整は見つけられなかったので、この方法はあきらめていたのですが、そういえば、Pxmalion coreI3ではモータードライバーが見えているではないですか。モータードライバにはモーター駆動の電流を制御する半固定抵抗がついています。

上の写真の中央最上部の緑の基盤のモジュールがエクストルーダーのモータドライバーです。そのモジュールの右端の半固定抵抗で電流を調整します。時計回りで電流が多くなります。10度程度回転させて様子を見てみると良いです。なお、これを上げすぎるとモジュールの温度が上がりすぎて、モータードライバーが止まってしまうので、上げすぎないように注意が必要です。

これを調整することで脱調はほぼ無くなりましたが、湿気ったフィラメントは使わないのが正解ですので、ご参考まで。