団地リフォームの見積り

団地リフォームお手伝いの続きです。どちらの業者に依頼するかで、リフォームの出来上がりと価格の大部分が決定してしまうので、業者選びは慎重になる必要があります。複数の業者に見積りを依頼するのですが、見積りを作成して頂いた後に比較しなければならないので、リフォーム内容をできる限り同じにして依頼します。

以下の業者に依頼してみました。

  • A社:賃貸を扱っていた不動産会社が関係している小規模リフォーム会社
  • B社:賃貸専門の全国展開している定額リフォーム会社(実際のリフォームは提携している小規模リフォーム会社)
  • C社:全国展開している大規模低価格リフォーム会社
  • D社:以前リフォームをお願いしたことのある地元のリフォーム会社
  • E社:以前リフォームをお願いしたことのあるリフォーム担当者が独立して起業したリフォーム会社

見積りは取っていませんが、団地の管理をしているJS(日本総合住生活(株))にも聞いたところ全面リフォームの場合、スケルトンリフォームしかなく833万円とのことでした。やはり、スケルトンリフォームはお高いですね。

まず、最初の見積り価格です。A社799万円、B社629万円、C社561万円、D社594万円と541万円、E社734万円と652万円(いずれも税込)となりました。D社とE社は、こちらかた要望していませんが、2パターンを用意して頂いていました。多少リフォーム内容にずれがありましたが、A社はお高いのでお断りしました。

ここで、困ったことがありました。細かなところが詰めきれていないので、業者の方々が独自の判断で詳細項目を入れるか入れないか決めています。また、標準的な商品を使うか、安めの商品を使うかも業社によって違ってきます。したがって、価格が安く見える業者さんと、価格が高く見える業者さんがいるということです。前者はC社で、後者はE社です。C社は打ち合わせを重ねるごとに価格が上がり、E社は打ち合わせを重ねるごとに価格が下がります。一長一短で、どちらが良いのか難しいところなのですが、C社との打ち合わせを重ねるごとに価格が上がるのは、あまり良い感じがしないです。初回の見積りで安いということで決めてしまうと、その後、どんどん価格が上がっていくことになります。それなりに大きな会社なので、そのような手法を会社の方針としてやっている可能性がありますが、本当のところは分かりません。E社は依頼者の隠れた要望を事前に組み入れた結果なので、不要部分を削っていくと安くなっていきます。つまり、初回の見積り価格だけでは両者の違いを見極められないところが辛いところです。

ここで今回の団地リフォームで検討を要した項目を書いていきます。

ユニットバス

ユニットバスを入れるにはタカラスタンダードの団地用のユニットバスのように床をはつったりすることなく入れられるものもあります。この際、後々またユニットバスを交換するの時に容易になるように、費用はかかるのですが、コンクリートをはつってでも通常のユニットバスを入れたいです。浴室の排水管は下階の浴室天井裏に突き出ていて、下階で排水管につながっています。B社は下階の排水管まで交換すると言っていましたが、JSに聞いてみるとそんなことは通常しないそうです。また、浴室の床をはつらないと洗面所と浴室の段差が大きくなりますし、後述する洗面所の床下げにも影響があります。C社は浴室の床をはつらないので、もしかしたらユニットバスが入らないかもしれないとのことでした。E社は防水層ギリギリまで床をはつるとのことでした。売りに出している同じ団地の物件をみると通常のユニットバスが入っているので、ユニットバスを入れることは可能だと思われます。ですので、ユニットバスを入れる方針で進めます。

ユニットバスの換気扇

室内が結構カビていたので浴室に換気扇が付けられないかなと調べてみると浴室の窓のガラスを取り替えて、窓に換気口を取り付けて、窓は使えなくなる代わりにユニットバスに換気扇をつけることができます。浴室側の壁に換気扇が設置されている状態になり、窓の痕跡はまったくなくなりスッキリします。ただ、残念ながらこちらの団地は窓ガラスも共用部とのことでガラスを取り替えて換気口を付けることはできないとのことでした。団地を外から見るとどうやらすでに窓に換気口をつけている部屋もあるようですが、許可を得ずに施工したそうです。ルールに縛られて団地の環境を改善できないと団地が敬遠される要因ともなるので、とても残念です。団地の換気は極めて悪いので、このような換気扇施工の許可が団地から得られるのであれば、施工を検討することをお勧めします。

洗面所と廊下の段差

洗面所と廊下の段差があるのですが、この段差をなくすことに関しては、各社によって判断が違います。C社は段差ができる、E社は段差はできない、できてもわずか、とのことでした。なるべく段差はなくす方向で進めたいです。

トイレの拡張

トイレの長さが極端に短く立ち上がるときに頭をぶつけるほどですので拡張することにします。その代わりに洗面台を置くスペースが狭くなり、多少狭い洗面台になります。

洗面台と洗濯パンの交換

洗面台と洗濯パンの交換により洗面台が奥まったところに設置されることになります。それが嫌だったので手前に洗面台を設置することにしました。洗面台の裏側は物置にしようかと思ったのですが、費用がかかるので、後々リフォームすることがあれば有効な利用を考えることにします。今回はデッドスペースにするこちにします。幅の狭い洗面台が奥まったところにあるよりもは使い安くなったと思っています。また、床下の配管の都合上、洗濯パンを嵩上げしないといけない可能性がありました。

押入れ撤去で広々

南側和室には押入れがありますが、北側の和室の押入れをすべてクローゼットにするので、南側和室の押入れは撤去することにしました。和室入り口の無駄な通路も部屋の一部になるので、広々した部屋にすることができます。

排水管隠蔽

排水管は見栄えが悪いので費用はかかるのですが、隠蔽することにしました。

天井クロス?

天井はクロスにしたいのですが、クロスを貼るにしてもC社は天井の造作が不要とのことでしたが、E社は天井の造作が必要で、それなりに費用がかかるとのことでした。どうするか保留です。

フローリング?フロアタイル?

床を二重床で作り直すと予算オーバーになるので、上貼り決定です。ただ、直貼りフローリングは傷が付きやすい印象なので、賃貸としてはフロアタイルにしたいです。ただ、フロアタイルだと傷が付きにくい反面、団地の遮音基準を満たせないです。この点は悩みました。ネットで調べるとDIY用っぽいですが、床デコという商品がありました。これは団地に適合する遮音性能を謳っているので使えそうです。この床デコの上にはフロアタイルが貼れます。これを利用する方向で進めたいです。

キッチンの換気扇

キッチンの換気口の位置が悪く、排気ダクトを収めるために換気口側の壁を付加す必要があります。これは業者によって施工方法が違うので注意が必要です。

エアコンコンセントの増設

南側の和室にはサッシにエアコン用に穴が空いています。最近はエアコンを取り付けないと生活できないです。また、最近はエアコン専用コンセントを用意しなければエアコンを設置しない業者が増えてきました。ですので、この南側の和室にエアコンコンセントを追加しなければなりません。露出配線にするか、隠蔽配線にするか検討が必要です。せっかく綺麗になるので、隠蔽配線を選択しました。と言ってもコンセントまでは埋め込むと費用が嵩むので露出コンセントとします。

北側和室とリビングの間の片引きから両引きにして広々

リビングと北側和室(洋室に転換予定)をなるべくひと続きの部屋のようにするために、インセットの片開き戸からアウトセットの2枚引き戸をお願いしました。当初、アウトセット2枚引き戸の片引き(2枚を片方に寄せて開ける)の見積りだったのですが、考えてみれば両引き(それぞれ片側寄せて開ける)にすることで建具が安くなります。片引きだと開けたときに2枚分の戸の厚さが壁から出っ張ることになるのですが、それも避けられます。また、それによってドアホンが収まらない可能性もありましたが、それもギリギリで収まるようです。なお、照明スイッチは戸が開いている時に塞がれてしまいますが、今時、照明もリモコンなので問題ないと割り切りました。また、コンセントは塞いでしまいました。コンセントに電源コードを差し込んだまま戸を開けてしまうと危険なので、致し方ないかなと思います。通常はリビングの壁を付加して施工しますが、このようにすれば、付加さずに割安でリフォームできます。なお、天井からの電話線は費用削減のために壁内に私が隠蔽配線しました。

引き戸と開き戸

最近は引き戸が人気なようですが、今回は開き戸を多用しました。引き戸と開き戸でどちら一長一短あり、一概にどちらが良いとも言えないので、安い開き戸を多く利用することにします。開き戸の場合にはストッパーが必要になります。床につけてドアを止める時だけ出てくるストッパーがよく利用されるようですが、床のストッパーは掃除にも邪魔だし目障りなので、昔からあるドア上部のストッパーとアーム型のストッパーを多用することにします。

業社選定

B社と調整するとフロアタイルで561万円という価格にしていただきました。ただ、遮音施工せずにフロアタイルを貼るとのことでした。遮音性能を満足しない点に関して、団地の管理組合はそこまでチェックしないからバレないですよ、とのことでした。こんな業者もいるのだと驚きました。バレなければ良いという考えなら、私たちにもバレなければ、どんな工事をするか分かったものではありません。B社にはお断りの返事をしました。なお、B社は全国展開していても、結局、個々の施工はその土地の個別の業者が担当するので、どの業者が担当するか、また、その業者の担当者によってもかなり状況は変わると思っています。ですので、B社の業者がすべてこのような考えだというわけではないと思います。少し運が悪かったかなと思っています。

D社はいろいろと相談にのって頂き、助かっておりましたし、価格面でもお安くして頂けていました。ただ、最後の方でこちらから床デコという商品で施工できないかというお願いをしたところ、D社で扱った経験がない商品なので扱えないということで、逆にお断りされた感じになってしまいました。熱心に取組んで頂いていたので、ちょっと残念でしたが、致し方ないです。

C社は、現地調査を2、3回ほどして頂きました。ただ、見積りに漏れが多く、また、間違っている点も幾つかあり、打ち合わせるたびに価格が上がって行きました。この調子だと施工が始まっても色々問題が出そうだなと思いはしたのですが、価格は安かったし、頑張って頂いているのは伝わっていたのでかなり気持ちは傾いていました。ただ、打ち合わせ時に、一言「自分だったら他業者にお願いする」と言われました。見積もりの間違いが多かったことから、これは多分自信のなさからの本音だったのだろうと思いますが、一方で、断って欲しいのかな、とも思えたので、お断りすることにしました。

E社は比較的お高い見積りであったことと、途中、連絡が途絶えたのですが、C社と最終段階に入った時点で、連絡があり、C社との状況をお知らせしたところ、新たな見積りを頂けました。その価格自体は若干C社よりも高かったのですが、C社からの発言をきっかけに一気にE社との契約を決定しました。E社は以前、別件のお願いしてとても心配りのあるリフォームをして頂けたので、信頼感があったのも決定の理由です。床デコの利用も許容して頂けたことも大きいです。

決定までに2ヶ月程度かかり機会損失ではあるのですが、時間をかけた分納得して業社選びができたと思います。