安く第二種電気工事士資格を取得する方法

DIY用に第二種電気工事士の資格が欲しかったのですが、お金を使わないようにいろいろDIYでやっているので、お金をかけて第二種電気工事士を取っていては本末転倒になってしまいます。なので、お金はできるだけ使わないように資格取得を目指しました。技能試験はギリギリだった気がしますが、一発で合格できたので、どのようにお金をかけずに合格したか、解説します。なお、この通りしたとしても合格するとは限りませんので、ご参考まで、ということでお願いします。

まず、受験者の特性によって勉強の仕方がかなり変わると思うので、私自身について説明しておきます。私は理系ですが、学校で電気系の勉強をしたことはありません。試験にはまったく役に立ちませんでしたが、このサイトで書いているような電気系の知識が少しはあります。理系文系と切り分けられるものではないですが、何となく文系的な人にお勧めする方法ではない気がしますので、ご注意ください。

参考書などは購入不要

まず、筆記試験用に参考書2025年版第二種電気工事士試験完全攻略学科試験編を買ってしまいました。一応ネットで調べて買いましたが、まぁ、無難な内容だったと思います。ただ、後から考えるとこの参考書すら要らなかった気がします。この参考書は文系向けなのか、それとも、他の参考書でも同じ傾向なのか分かりませんが、計算問題より覚えることを優先した方が確実だという方針でした。私も最初はそれが正しいと思ったのですが、名称や法規といった覚える項目が参考書の最初に寄せてあったので、結構、苦痛でした。

過去問サイトで十分

一応一通り参考書を読んだ(無駄な時間でした)後、過去問を10年分、2周しました。過去問のテキストは買わずに第二種電気工事士ドットコムのサイトを利用しました。解説も充実しています。なので、参考書は不要だったかなと思った次第です。このサイトで過去問を解き始めた時は参考書も見ていたのですが、充実した解説なので、後々まったく参考書を見なくなりました。まずは、このサイトで過去問をやってみることをお勧めします。どうしても説明が不十分だと感じたり(実際そんなことはないのですが)、系統だって勉強するのが好きな人(この気持ちは分かります)は、この時点で参考書を買えば良いかなと思います。

計算問題を恐れる必要なし

私の場合、過去問を一通りやり終えると、計算問題の方が簡単という状態になっていました。理屈が分かれば、覚える必要がないのです。また、普通の試験だと、回答の選択肢の中に間違えやすい計算結果の選択肢が通常あるのですが、そのような落とし穴みたいな選択肢がこの試験ではほとんどないのです。計算結果が選択肢にあればほぼそれが正解で、計算間違いすると選択肢にない場合が多いです。計算自体も面倒なものはないです。また、計算問題もパターン化しているので、計算問題を恐れる必要はまったくありませんでした。

複線図も恐れる必要なし

人によっては単線図から複線図を作成するのに苦労する人がいるようですが、私の場合は何度か書いてみたら特に苦も無く書けるようになりました。出題がほぼパターン化しているので、過去問10年を2周すれば、ほぼ合格圏内となると思います。その時点でほぼ正解できていれば、合格確定です。

CBT試験は便利

私はCBT試験を受けましたが、特に問題はなかったです。筆記試験よりも先に、自分の好きな日時に受験できるので、私にはあっていました。試験時間的にも余裕があり、落ち着いて受験できました。直後に点数が分かるので、その点も嬉しいところです。

筆記試験にかかったお金は買わなくても良かったかなと思われる参考書1冊の代金でしたが、お金がかかるのは技能試験です。まず、道具が必要になります。そして練習用の材料です。

道具はホーザンのセットでなくても問題なし

道具は、セットであれば、これ一択といって良いほどホーザン電気工事士技能試験工具セットを購入すれば問題なしです。ホーザンさんの電気工事士技能試験工具セットは定価22,220円!、アマゾン価格で13,582円と高いですね。なかなかの価格です。私はできるだけ持っている道具を使いました。メジャー、ウォータープライヤー、ペンチがあったので、その他は格安のものを探して、電工ドライバプラス(178円)、マイナス(178円)、電工ナイフ(982円)、圧着工具(4,195円)、VVFストリッパ(2,600円)、合格クリップ(522円)を購入しました。ホーザンさんのセットとほぼ同じ内容で、合計8,655円です。時短を考えると合格クリップは買わなくても良いです。

ドライバーはあったのですが、握り部分が細いものしかなく、試験の時に力を入れにくくて支障が出るのもいやだったので、格安のケンオープラス電工ドライバー、マイナス電工ドライバーを購入しました。手持ちのドライバーでも問題なかった気がします。カッターナイフの使用は非推奨なので電工ナイフを買いましたが、VVRの被覆剥きと絶縁ブッシングのカットと試験では活躍しました。圧着工具とVVFストリッパは買わない選択肢はないです。もっと安いものもありましたが、刻印が不鮮明だったりするのは困るので、レビューを読んで無難そうなツノダ製をそれぞれ選びました。圧着工具は一回り小さい中スリーブまでのもありますが、購入時はなぜか大スリーブまでの方が安かったのでそちらを買いました。私は非力なので多分一回り小さい圧着工具を買っていたら中スリーブの圧着は苦労したと思います。VVFストリッパを使わずに電工ナイフでカットする手もありますが、私にはストリッパの代わりに電工ナイフでの作業は時間的にほぼ無理でした。合格クリップは試験では時間がなくなって使いませんでしたが、持っていれば安心な気はします。

13問分の部材セットは不要

技能試験は13問が公開されていて、ここから1問が出題されます。一般には13問分の材料のセットが販売またはレンタルされているので、それを購入したりレンタルしたりします。ホーザンさんの1回分(13問)練習用部材セットが19,247円です。私にとってはかなり高いと感じましたので、セットの購入やレンタルはしませんでした。その代わりにホームセンターやネットでVVF1.6 2芯 1m、VVF2.0 2芯 0.5m、VVF1.6 3芯 0.5m、レセプタクル、露出コンセント、角形引掛けシーリング、丸形引掛けシーリング、スイッチ、コンセント、取り付け枠、絶縁ブッシング、端子台、アウトレットボックス、小中スリーブ、差し込みコネクタを購入しました。スイッチやコンセント類は構造がほぼ同じなので1種類ずつしか買っていません。合計4,500円ぐらいでした。VVRや管類は購入したかったのですが、短いものを売っていませんでした。

一度は一問分の作成時間を測る

VVFは問題一回分あるかないかの材料です。つまり、実は一回も一問やり切っていないですし、当然、時間も測定していません。時間がないという声はネット上にたくさんあったのに、私は40分の試験時間をなぜだか余裕だと勘違いしていました。本番では時間ギリギリでした。少なくとも試験直前には一度は時間を測ってみてどのぐらいの時間がかかるものなのかは知っておくことをお勧めします。どこかのサイトかyoutubeで作業時間ランキングがあったと思うので、もっとも時間のかかる問題で時間を測ると良いと思います。

練習時に参考にしたのは他でもない電気技術者センターの試験問題と回答です。そして施工方法の参考にしたのは、誰もが使っていると思われるホーザンさんの技能試験対策の動画です。細かく解説しているので分かりやすいです。ただ、試験の時にあれだけ丁寧に複線図や長さそして色まで書いていると時間的には厳しくなりそうなので、真似しない方が良い気がします。後はyoutubeのガミデンキちゃんねるをたまに見ていましたが、良し悪しでした。また、欠陥の判断基準を一通り確認しておくと良いです。ケーブルの長さは許容範囲が広いので、神経質になる必要がないことが分かります。

作業の流れ

すべての問いで共通の大まかな作業の流れはこんな感じです。

  1. 2.0mmのVVR、VVFの加工(1.6mmVVFの加工は各部品との接続時)
  2. 各部品とVVFの接続(部品の反対側のVVF間の接続部分は一律外装被膜10cm芯線被膜2cmでカット)
  3. リングスリーブまたはコネクタによるVVF同士の接続(コネクタ接続の時はペンチ幅で芯線カット)

カミデンキちゃんねるでは時短できる変わった方法を紹介してたりしますが、ホーザンさん動画の基本的な方法をまずマスターする方が良い気がします。ただ、カミデンキちゃんねるで紹介されていたVVFを部品に接続してからVVFを切断する方法を薦めていて良い方法(切断の長さを覚える必要がないので)だと思います。試験の時はVVFを伸ばしてから作業したので、取り回しにくかったですが、単に、丸めたままで施行すべきでした。また、スリーブの心線の長さをペンチの幅でカットするのも薦めており、こちらは効率良かったです。これをしなかったら、完成できなかったと思います。

最少限覚えなければならない長さ

部品をVVFに接続した後にカットする場合には、外装剥き、芯線被覆向きの長さは以下の用に単純化されます。覚えることが多いほど間違い易くなるので単純化は重要です。

  • 圧着スリーブ、差込みコネクタ:外装10cm、芯線2cm(差し込みコネクタは差し込み時にペンチ幅でカット)
  • 露出コンセント:外装5cm、芯線3cm
  • レセプタクル:外装5cm、芯線4.5cm
  • 端子台類:外装5cm、芯線1cm(端子に合わせてもOK)
  • 引掛けシーリング:外装表記通り、芯線共に部品表記通り
  • スイッチなど:外装10cm、芯線部品表記通り

2.0mmVVFを1.6mmのストリッパーで外装や芯線被覆剥きをすると芯線被覆や芯線自体に傷を入れてしまい、芯線が折れることもあります。実際、私は練習で芯線が折れて引掛けシーリングの穴にはまって取れなくなりました。なので間違えないように、最初に2.0mmのVVFの加工をやり終えるようにして、なるべく作業を混在しないように注意しました。

イメージトレーニング

で、どうやって練習したかというと個々の部品とVVFとの接続して、VVFの先端だけカットしては、また、接続し、を何度も繰り返して部品の接続の練習しました。また、リングスリーブやソケットでのVVF同士の接続も個別に何度も練習しました。先端を切って繰り返し練習すると短いVVFしかなくてもかなりの数の練習ができます。そして、各問題の複線図を書く練習と実際に作成するイメージトレーニングやりました。材料は使わないですが、実際に手を動かしてのイメージトレーニングです。

試験当日と同じ広さで練習

練習終盤では、部品の接続の時やイメージトレーニングの時に、実際に想定される作業面積の紙を広げ、そこに部品や道具をすべて置いて作業するようにしていました。

複線図などを書かない

終盤では複線図を書く時間を削減できそうだと思い始めました。というのも、イメージトレーニングで複線図を書かなくて配線できる自信が付いてきた、というか、書く必要性を感じなくなっていました。そこで、本番も複線図を書かずに作成することにしました。書いていたら確実に完成していませんでした。

試験本番

試験当日の様子はyoutubeや何やらで解説されているので、ここでは省略します。私の試験会場では3人掛けの長机に一人、二人が交互に座るようになっていました。なので私の前に人はいませんでした。作業場所が狭い話を聞いていましたが、家で規定の広さで道具を並べて練習していたので特に狭いとは感じませんでした。前に人がいないので、その点でも作業はやり易かったです。

試験の時は、開始前に問題が透けて見えるので、その時点で手順を考えました。何をすれば良いかイメージトレーニングできているので、問題も読まずにすぐに作成を開始し、終わるまで問題はほとんど読みませんでした。でも、緊張のせいで、芯線被覆剥きの長さを2回間違いました。ただ、どの程度の間違いであれば問題ないかを把握していたので、すぐにリカバリできました。VVFの長さはかなり違っていても欠陥になりません。

そのまま、時計も見ずに慎重に作業していて、後はアウトレットボックス内で結線するだけの時に時計を見たら、あと10分しかありません。15分以上余っているかと思っていたので焦りました。そこからすべてのリングスリーブとソケットの結線をしなければなりません。合格クリップを使っている暇はありません。VVFを集めては片っ端から結線していきました。ここで役に立ったのはガミデンキちゃんねるで紹介されていたソケット用の芯線カット方法です。ペンチの幅で片っ端からカットです。新鮮の切り端がどこに飛ぼうがもう構っていられません。なんとか完成しました。最後にサクッとチェックしたらソケットに十分差し込めれたいないVVFがありそれを押し込んだら、ほぼタイムアップとなりました。本当にギリギリでした。

終了後の待機時間に作品を見る分には間違っていなさそうでしたが、いずれにしろ、最後は慌てていたので、ネジをしっかり絞めたかな、とか、絶縁ブッシングがずれていないかなとか、いろいろ気になり、正直合格は五分五分かなと思っていました。でも、幸運なことに合格できていました。お金をかけずに合格できたので本当によかったです。

試験当日注意すべきこと

合格したから良かったですが、もう少し余裕を作るためには、以下の点を注意すれば良かったなと思います。

  • ゴミは一々片付けない。時計を見るまでは一つ一つ袋に入れていました。でも、ゴミが散乱していて落ちることはないです。完成しなければ落ちます。完成して時間があれば片付ければ良いです。最後の待機時間にでも片付けられます。
  • ここで紹介した方法だと通しでの練習がほぼできないので、試験当日は時計を頻繁に見て時間配分を調整する。

以上でお金を使わないようにしたのですが、計約16,000円(受験費用除く)かかりました。参考書や合格クリップを除いても、約13,000円ぐらいですね。多分、これよりも安くしようとすると急激に、不合格率が上がる気がします。また、こうやって書いてみると、いかに出費を抑えるかだけでなく、いかに覚えることを少なくするかに努力していた感じがします。

少しでも参考になれば幸いです。